「常に10歳若い顔」を望む患者と、「10年後を守る医師」の話
「常に10歳若い顔」を望む患者と、
「10年後を守る医師」の話
美容医療の現場で、よくある相談があります。
できれば、ずっと10歳若く見られたいんです
正直に言えば、
技術的には「その時点では」可能です。
40代を30代に見せることも、
50代を40代に見せることも、
単発で見れば、今の美容医療ならできます。
では、
それを一生続けることはできるのでしょうか。
「常に10歳若い顔」は、本当に可能なのか?
答えはこうです。
短期的には可能。
長期的には、必ず破綻します。
なぜなら、若返りとは
「失われたものを取り戻す行為」ではなく、
未来に使うはずだった余白を前倒しで使う行為だからです。
老化は直線ではありません。
- 40代はゆっくり
- 50代で構造が変わり
- 60代で回復力が急激に落ちる
同じ「10歳差」でも、
必要な介入量は年齢とともに急激に増えていきます。
若返りを続けた先に起きること
最初は満足度が高いかもしれません。
- 周囲に褒められる
- 鏡を見るのが楽しい
- 不安が一時的に消える
しかし、数年後こうなります。
- やめ時が分からなくなる
- 変化に慣れてしまう
- 次の10歳差が怖くなる
そしてある日、
「若く見せたい」気持ちより
「やめられない不安」の方が強くなる。
これは珍しい話ではありません。
もう一つの選択肢「40代が、綺麗に歳をとる」医療
美容外科医は、
40代を30代に見せることもできます。
同時に、
40代が綺麗に歳をとる手伝いもできます。
この二つは似ているようで、
実はまったく別の医療です。
| 若返り重視 | 綺麗に歳をとる |
|---|---|
| 今を最大化 | 未来を守る |
| 即効性 | 持続性 |
| 足す医療 | 残す医療 |
| ゴールなし | 時間軸あり |
後者は派手ではありません。
変化も控えめです。
しかし、
50代・60代になったときに
「あの時やりすぎなくてよかった」
と感じる人が多いのはこちらです。
「未来を見る医師」という考え方
美容外科医にとって、
患者さんが「常に10歳若い顔」を望んでくれた方が、
医療として提供しやすい側面があります。
それでも、あえてこう考えます。
今の満足より、
10年後の後悔を減らすことを優先したい
未来を見る医師とは、
- 今やらない選択を提示できる
- 断る勇気がある
- 年代ごとのゴールを一緒に設計する
医師です。
私が大切にしているゴール
目指すのは、
「常に10歳若く見える顔」ではなく、
「その年代の中で、無理のない上位の顔」
- 40代なら、疲れて見えない40代
- 50代なら、清潔感と穏やかさのある50代
- 60代なら、品と調和のある60代
これは、
最後まで続けられる美容医療です。
最後に
若返ること自体が、悪いわけではありません。
ただ、
「どこまでを、いつまでやるのか」
それを一緒に考える医師がいるかどうかで、
その後の人生は大きく変わります。
今の顔だけでなく、
10年後の自分も大切にしたい方へ。
美容医療には、
もう一つの選択肢があります。

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