シワ治療とたるみ治療の違いを整理する── まずは「何が起きているか」を知る

シワ治療とたるみ治療の違いを整理する
── まずは「何が起きているか」を知る

「若返りたい」と思ったとき、
多くの方が最初に迷うのが、

  • シワ治療をするべきか
  • たるみ治療をするべきか

この2つは似ているようで、
原因も、治療も、目的も異なります。

まずは、それぞれを整理するところから始めます。


シワとは何か

シワは、主に皮膚表面の変化です。

代表的なシワの症状

  • 額や眉間の表情ジワ
  • 目尻の細かいシワ
  • ほうれい線の上部の刻み

これらは、

  • 表情筋の動き
  • 皮膚の乾燥や弾力低下

によって目立ってきます。


シワに対する主な治療選択

ボトックス

表情筋の動きを弱めることで、 シワをできにくくする治療です。

メリット

  • 効果が分かりやすい
  • 治療時間が短い

デメリット

  • 効果は一時的
  • 打ちすぎると表情が不自然になることがある

ヒアルロン酸(浅層)

刻まれたシワを内側から持ち上げます。

メリット

  • 即時効果がある
  • ピンポイントで調整できる

デメリット

  • 過量で不自然になりやすい
  • 根本原因を治すわけではない

たるみとは何か

たるみは、
顔を支える構造全体の下垂です。

代表的なたるみの症状

  • フェイスラインのぼやけ
  • 口元のもたつき
  • 頬が下がって見える

皮膚だけでなく、

  • 脂肪
  • 筋膜
  • 重力による変化

が関与しています。


たるみに対する主な治療選択

HIFU(高密度焦点式超音波)

皮膚の深部に熱刺激を与え、 引き締めを狙います。

メリット

  • 切らずに行える
  • ダウンタイムが少ない

デメリット

  • 効果は緩やか
  • 繰り返しが必要になることがある

糸リフト

物理的に組織を引き上げます。

メリット

  • 変化が分かりやすい
  • 輪郭改善に向く

デメリット

  • 侵襲がある
  • 繰り返しで組織に影響が出る可能性

まとめ ── まずは区別する

シワ治療とたるみ治療に、 優劣はありません。

重要なのは、

今の悩みは「シワ」なのか、「たるみ」なのか

を区別することです。

この整理ができると、
治療選択は自然に絞られてきます。

次回は、
これらの治療を時間軸で考えたとき、
どのような違いが出てくるのかを整理します。

項目しわたるみ
主な症状・額・眉間・目尻の表情ジワ
・細かいちりめんジワ
・皮膚に刻まれた線状の変化
・フェイスラインのぼやけ
・頬や口元の下垂
・顔全体が下に引っ張られた印象
主な原因・表情筋の反復運動
・皮膚の乾燥・弾力低下
・紫外線などによる皮膚老化
・重力による組織の下垂
・皮下脂肪の位置変化
・筋膜(SMAS)のゆるみ
主な治療・ボツリヌストキシン治療
・浅層ヒアルロン酸注入
・スキンケア・外用治療
・HIFU(高密度焦点式超音波)
・糸リフト
・深層ヒアルロン酸注入
メリット・効果が分かりやすい
・比較的低侵襲
・ダウンタイムが短い
・輪郭変化が出やすい
・顔全体の印象を整えやすい
・年齢変化に対応しやすい
デメリット・効果は一時的
・過剰治療で不自然になることがある
・根本的なたるみは改善しにくい
・侵襲が高くなることがある
・繰り返し施術で組織に負担
・若年層では過剰になる場合がある

補足資料|初心者が全体像をつかむための参考資料

本シリーズの考え方を補足するために、
日本語で読める、信頼性の高い資料を以下に挙げます。

  • 日本皮膚科学会
    『美容医療診療指針(美容皮膚科診療の基本的考え方)』
    美容医療を医療行為として位置づけ、安全性・適応・説明責任を重視した指針。 しわ・たるみ治療においても、侵襲性や長期的影響を考慮する重要性が示されています。
  • 日本形成外科学会
    『形成外科医のための美容医療ガイドライン』
    顔の解剖学的構造を基盤に、注入治療やリフト治療を整理したガイド。 短期効果だけでなく、組織への影響や将来の修正困難性を含めて判断すべきとしています。
  • 日本美容外科学会(JSAPS / JSAS)
    『美容外科診療における安全対策と倫理指針』
    過剰治療や反復治療のリスクに言及し、 「治療を行わない判断」や「やめ時を設定すること」も医師の責務であると明示しています。

※ 上記資料は、美容医療の効果や結果を保証するものではありません。
本シリーズは、治療選択の判断材料を整理することを目的としています。

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