第1回:体重が減っても、ダイエットは失敗している
ダイエットが「成功した」とは、どんな状態でしょうか。
体重が減ったとき、多くの人は迷いなく「成功」と判断します。
しかし、この考え方こそが、ほとんどの人をリバウンドに導いています。
本記事では、ダイエットを体重減少という概念から切り離し、
なぜ体重を指標にすると失敗が構造的に起きるのかを解説します。
ダイエットの最大の誤解
一般的にダイエットは、次のように理解されています。
- 体重が減れば成功
- 我慢できた人が勝ち
- 戻ったら意志が弱い
ですが、体重とは何でしょうか。
体重は次の要素の合計にすぎません。
- 水分
- グリコーゲン
- 消化管内容物
- 筋肉
- 脂肪
つまり、体重が減ったとしても、
「何が減ったのか」は一切問われていないのです。
体重は「結果」であって「評価指標」ではない
体重は変動しやすく、短期間で大きく動きます。
たとえば、
- 糖質制限を始めた直後
- 発汗量が多い日
- 食事量が一時的に減った日
これらはすべて脂肪が減らなくても体重が落ちる条件です。
にもかかわらず、体重のみを評価軸にすると、
- 減った=成功
- 戻った=失敗
という、極端な判断を繰り返すことになります。
これが、ダイエットが短期イベントになってしまう最大の理由です。
なぜリバウンドは「必然」なのか
多くのダイエットは、次の構造を持っています。
- 体重を減らすことを目的にする
- 食事量・エネルギーを急激に減らす
- 筋肉と代謝が同時に落ちる
- 生活を元に戻す
- 以前より太りやすい体になる
これは「失敗」ではありません。
その設計通りの結果です。
体重を最優先指標にすると、
- 筋肉が減っても成功
- 代謝が落ちても成功
- 生活が破綻しても成功
という、歪んだ成功判定が成立してしまいます。
ダイエットを再定義する
ここで、ダイエットを次のように定義し直します。
ダイエットとは、
体型を壊さない状態を作り、それを維持できる構造を整えること
これは、
- 期間の話ではありません
- 我慢の量の話でもありません
- 体重の上下の話でもありません
「普通に生きていて、崩れない状態」を作ること。
それがダイエットの本質です。
上級者が見る指標は何か
上級者は、体重をほとんど見ません。
見ているのは、
- 見た目(鏡・写真)
- 筋力・トレーニング出力
- 空腹感や疲労感
- 生活への負担
体重は、これらの結果として後から付いてくる数値にすぎません。
まとめ
体重が減ったかどうかでは、ダイエットは評価できません。
評価すべきなのは、
- 筋肉を守れているか
- 代謝を落としていないか
- その生活を続けられるか
この視点を持てた時点で、
ダイエットはすでに次のステージに進んでいます。
次回は、
「筋肉はなぜ削られるのか ― カタボリックの正体」を扱います。
| 段階 | 体重を減らすことを目標にした場合 | 体重以外の指標を重視した場合 |
|---|---|---|
| 目標 | 体重計の数値を下げること | 脂肪を減らし、筋肉を維持・改善すること |
| 指標となるメルクマーレ | 体重の増減のみ | 体脂肪率、筋量、見た目、 トレーニングパフォーマンス、ウエスト周径 |
| 結果として見えること | 短期間で体重が落ちるが、 内訳は不明(水分・筋肉・脂肪が混在) | 体重変化は緩やかだが、 見た目と身体機能が明確に改善する |
| 長期的な弊害 | 筋量低下、代謝低下、 リバウンドの常態化 | 大きな弊害は少なく、 体型を長期維持しやすい |

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