ダイエット中に体重が減ったとき、
その中身が「脂肪だけ」だと思っている人は少なくありません。
しかし実際には、多くの減量で
筋肉は想像以上に簡単に削られています。
本記事では、
筋肉が削られる本当の理由=カタボリックの正体を整理し、
なぜ「守れる減量」と「削る減量」が分かれるのかを解説します。
「食べなければ筋肉が減る」は半分正解、半分誤解
筋肉が減る理由として、よく次のように説明されます。
- エネルギーが足りないから
- 栄養が不足しているから
- タンパク質が足りないから
これらは間違いではありません。 しかし、それだけでは説明がつかない現象があります。
例えば、
- 同じカロリー赤字でも筋肉が減る人と減らない人がいる
- 十分なタンパク質を摂っていても筋肉が落ちる
- 短期間で急激に筋量が落ちる
これを理解する鍵が、
カタボリックの「種類」です。
カタボリックには2種類ある
筋肉が分解される状態は、すべて同じではありません。
大きく分けると、次の2種類があります。
① エネルギーカタボリック
エネルギー不足により、
身体が「材料」として筋肉を使う状態です。
- 長期間の強いカロリー赤字
- 極端な糖質不足
- 回復不足のままの運動
この場合、筋肉は
エネルギー源として消費されます。
② シグナルカタボリック
こちらが、多くの人が見落としているタイプです。
エネルギーが致命的に不足していなくても、
身体が
「この筋肉は今、必要ない」
と判断したとき、筋分解は起こります。
これをシグナル(情報)によるカタボリックと呼びます。
筋肉は「使われない」と削られる
筋肉は、貯蔵器官ではありません。
身体にとって筋肉は、
- 重い
- 維持コストが高い
- エネルギーを消費する
非常に贅沢な組織です。
そのため、
- 強い刺激が入らない
- 合成シグナルが弱い
- 回復環境が悪い
これらが揃うと、
身体は迷いなく筋肉を減らします。
「守れる減量」と「削る減量」の分岐点
同じように体重を減らしていても、
結果が大きく分かれるのはこの部分です。
筋肉を削る減量
- 体重のみを評価指標にする
- 摂取量をひたすら減らす
- トレーニング出力が下がる
- 疲労が抜けない
筋肉を守れる減量
- 筋力・出力を最優先指標にする
- 赤字は小さく、長く
- 刺激と回復を切らさない
- 生活が破綻しない
重要なのは、
筋肉を守るのは「栄養量」だけではないという点です。
必要なのは、
- 使われているという情報
- 維持する価値があるという信号
これらを身体に送り続けることです。
まとめ
筋肉が削られる理由は、単なるカロリー不足ではありません。
エネルギー不足と、
「不要だ」というシグナルが重なったとき、
筋分解は加速します。
減量で本当に重要なのは、
- 何を減らしているのか
- 身体にどんな情報を送っているのか
これを理解した時点で、
もう「なんとなく筋肉が落ちる減量」には戻れません。
次回は、
「脂肪はいつ、どの条件で本当に減るのか」
脂肪分解と脂肪減少の違いを整理します。
| 段階 | 筋肉が削られる減量 | 筋肉が守られる減量 |
|---|---|---|
| 目標 | とにかく体重・摂取カロリーを下げる | 筋肉を維持したまま脂肪を減らす |
| 指標となるメルクマーレ | 摂取カロリー、体重の減少幅 | トレーニング重量、回復感、 筋量、体調 |
| 結果として見えること | 体重は減るが、 筋力低下・疲労感が増大する | 体重変化は緩やかだが、 筋力は維持されやすい |
| 長期的な弊害 | 筋量減少、基礎代謝低下、 減量耐性の悪化 | 大きな弊害は少なく、 減量の再現性が高い |
| 理解すべき項目 | カタボリックは 「不足量」ではなく 「不足の質と期間」で決まる | 筋分解は制御可能であり、 設計次第で回避できる |

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