第9回|性ホルモンと体型の長期ダメージ
「体重は戻ったのに、体型が戻らない」
「昔より筋肉がつかず、脂肪が残る」
この違和感の正体にあるのが、 性ホルモンの長期的な抑制です。
第9回では、
- 性ホルモンが体型をどう作っているか
- 断食が男女それぞれに与える影響
- なぜ「戻らない体」になるのか
を、構造的に解き明かします。
性ホルモンの本来の役割
性ホルモンは、
- 生殖
- 筋肉・骨の維持
- 脂肪分布
- 気力・意欲
を支える、 「余裕があるときにだけ許可される機能」 です。
つまり性ホルモンは、 生存が確保された後のホルモン とも言えます。
断食が性ホルモンを後回しにする理由
体がエネルギー不足を感知すると、
- 甲状腺ホルモン
- 食欲ホルモン
- ストレスホルモン
が優先制御されます。
その結果、
性ホルモンは「不要な贅沢」として抑制
されます。
これは異常ではなく、 生理的に正しい優先順位 です。
男性に起きやすい変化
男性では主に、 テストステロン低下 が起こります。
- 筋合成低下
- 内臓脂肪増加
- 回復力・意欲低下
特に、
体重は戻っても筋肉だけ戻らない
という現象が起きやすくなります。
女性に起きやすい変化
女性では、
- エストロゲン低下
- 月経異常
- 骨・筋の維持低下
が起こりやすくなります。
その結果、
- 脂肪分布の変化
- 冷え・むくみ
- 疲労感の固定化
が見た目と体感の両方に影響します。
「体型の長期ダメージ」とは何か
ここで重要なのは、
性ホルモン低下は「即戻らない」
という点です。
甲状腺や食欲ホルモンと違い、
- 回復に時間がかかる
- 環境改善が必須
という特徴があります。
そのため、
体重だけ戻しても 体型・気力・回復力が戻らない
状態が残ります。
これまでの全要素との接続
断食が長期化すると、
- AMPK慢性優位
- コルチゾール慢性上昇
- 甲状腺ホルモン抑制
- 食欲ホルモン破綻
の先に、
性ホルモン抑制という「最深部」
に到達します。
ここまで来ると、 体は完全に「生存モード」 です。
まとめ
断食は、
- 短期では体重を動かす
- 長期では体型を壊す
可能性を持ちます。
性ホルモンが落ちた体は、
「戻せない」のではなく 「戻す条件が厳しくなった」
状態です。
次回はいよいよ最終回。 断食が機能する条件/破綻する条件を 全ホルモン・代謝スイッチで統合します。
第9回|理解項目まとめ表(性ホルモン × 体型 × 長期影響)
| 項目 | 正常状態 | 断食・長期不足時 | 長期影響 |
|---|---|---|---|
| 性ホルモンの位置づけ | ・余裕があるときに分泌 ・成長・維持を許可 | ・不要機能として抑制 | 回復に時間がかかる |
| 筋肉への影響 | ・合成維持 ・回復良好 | ・合成低下 ・分解優位 | 筋量が戻りにくい |
| 脂肪分布 | ・性差に応じた分布 | ・内臓・下腹部優先 | 見た目の悪化 |
| 男性への影響 | ・テストステロン維持 | ・テストステロン低下 | 筋低下・腹部脂肪増 |
| 女性への影響 | ・エストロゲン安定 | ・エストロゲン低下 | 体型変化・回復遅延 |
| 気力・意欲 | ・活動的 | ・意欲低下 | 行動量低下固定 |
| 回復・睡眠 | ・回復が進む | ・回復不全 | 慢性疲労 |
| 本質的な理解 | 成長・維持モード | 生存モード | 体型は戻りにくくなる 体重とは別問題 |

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