【第三回】ある時、老化は加速する

老化は直線ではない― 人生後半で一気に差が開く「加速度老化」

多くの人は、老化をこう考えている。

「毎年、少しずつ老けていく」

だがこの考え方は、
老化の本質を大きく誤解している。

老化は直線ではない。
曲線だ。

そしてこの誤解が、
人生後半で起きる“急激な老け”を説明できなくしている。


老化を直線で考える危険性

もし老化が直線なら、

  • 30歳→40歳
  • 40歳→50歳

は、同じ変化量のはずだ。

だが現実は違う。

多くの人がこう感じる。

  • 20代後半までは変わらなかった
  • 30代後半から急に疲れる
  • 40代後半で一気に老けた

これは気のせいではない。

老化を直線で考えると、
この現象を説明できない。


加速度的に進む理由

修復力の低下

老化が加速する最大の理由は、
修復力の低下だ。

若い体では、

  • 日々生じる損傷 < 修復力

つまり、
壊れても元に戻る。

だが年齢とともに、

  • 損傷 > 修復力

という瞬間が訪れる。

この逆転点を超えると、

  • 修復しきれなかった損傷が残り
  • 次の損傷が上書きされ
  • 老化が雪だるま式に進む

これが、
加速度老化の正体だ。


2つの人生の肉体年齢タイムライン

同じ暦年齢でも、
老化曲線は人によってまったく違う。

120歳型の人生

  • 若い頃の老化速度が遅い
  • 修復余力が長く保たれる
  • 加速点が後ろにずれる

結果として、

  • 60歳でも肉体はまだ余力がある
  • 老化のカーブはなだらか

60歳型の人生

  • 若い頃から老化速度が速い
  • 修復余力が早く枯渇する
  • 加速点が早く訪れる

結果として、

  • 40〜50代で急激に老ける
  • 老化曲線が一気に立ち上がる

この差は、
途中で突然生まれるわけではない。

すでに前半人生で、
曲線の形が決まっている。


「突然老けた」と感じる瞬間の正体

人はよく言う。

「急に老けた気がする」

だが実際には、

  • 老化はずっと進んでいた
  • ただ見えなかっただけ

加速点を超えた瞬間、

  • 修復が追いつかなくなり
  • 変化が一気に表に出る

これを、
「突然老けた」と感じる。

老化は突然起きるのではなく、
突然“見える”だけだ。


加速を遅らせるという現実的目標

老化を止めることはできない。

だが、

  • 加速点を遅らせる
  • カーブをなだらかにする

ことは可能だ。

目標は、

  • 若返ることではない
  • 20代に戻ることでもない

老化が暴走しない人生を設計すること。

そのために重要なのは、

  • 修復力を温存する
  • 炎症を溜めない
  • 無理な消耗を避ける

という視点だ。


次回予告

次回は、
老化速度は環境で書き換えられるという話をする。

遺伝子は運命ではない。
老化曲線の形は、
生活によって変えられる。


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