「長生きしたい」という願いは、
いつの時代も人類共通のものだ。
だが、そもそも寿命とは何なのか。
運命のように最初から決まっているものなのか。
このシリーズでは、
寿命をこう定義するところから始めたい。
寿命=運命ではなく「速度×時間」
寿命は、
「ある日突然終わる数字」ではない。
老化というプロセスが、
どの速度で進むか。
それがどれだけの時間続くか。
この
速度 × 時間
その積が寿命である。
同じ時間を生きても、
- 老化速度が遅い人
- 老化速度が速い人
では、到達する肉体の状態はまったく異なる。
寿命とは、
「どれだけ生きたか」ではなく、
どれだけ早く壊れたかの結果だ。
なぜ120歳付近で頭打ちになるのか
人類史上、
確認されている最長寿命は約120歳。
医学が進歩しても、
この数字はほとんど更新されていない。
なぜか。
理由は単純で、
人間の肉体そのものに上限があるからだ。
- 細胞分裂の回数
- DNA修復能力
- 幹細胞の枯渇
- 臓器の耐久年数
どれも無限ではない。
どれだけ環境を整えても、
消耗ゼロでは生きられない。
120歳という数字は、
奇跡ではなく
物理的・生物学的な限界値に近い。
肉体は消耗品であるという前提
この事実は、
不都合だが重要だ。
人間の肉体は、
修理しながら使う機械のようなものだ。
- 動けば摩耗する
- 食べれば代謝で傷む
- 生きているだけで損傷は蓄積する
若い頃は、
- 修理速度 > 損傷速度
だが、年齢とともに逆転する。
- 修理速度 < 損傷速度
ここから老化は
一気に加速する。
寿命とは、
この逆転がどれだけ遅く起きるか、
その勝負でもある。
「長く生きる」より「遅く老いる」
ここで重要な視点転換がある。
寿命を延ばす、という発想は
どこか「時間を増やす」イメージがある。
だが実際にできるのは、
老化を遅くすることだけ
時間そのものは伸ばせない。
同じ80年を生きるとしても、
- 60年分老いる人
- 80年分老いる人
が存在する。
この差を生むのが、
老化速度だ。
本シリーズで扱う「老化制御」という考え方
このシリーズでは、
- 不老不死
- 奇跡の若返り
- 永遠の20代
は扱わない。
代わりに扱うのは、
- 老化速度をどう理解するか
- 何が老化を早めるのか
- 何が老化を遅らせるのか
- 生活の中で何を選ぶべきか
という、
現実的な老化制御だ。
老化は止められない。
だが、暴走させないことはできる。
次回予告
次回は、
「同じ30歳でも、体は同じ年齢ではない」
という事実を掘り下げる。
なぜ人によって、
老化のスタートラインが違うのか。
そこにはすでに、
寿命の差の芽が潜んでいる。


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